大会でのリーグ制に関する私の案
前に「ボードゲームの大会をメジャーリーグとマイナーリーグにわけてみては?」という提案がありました。
面白そうだなと思いましたし、リーグにわけるのは私も前に少し考えたことがあるので "ゲームの大会におけるリーグの分け方" について私の案を書いてみたいと思います。
あくまで案ですので、実際の大会で採用するかしないかはもちろん自由です。
リーグ制の主な形式
人数的には2リーグで十分だと思いますが、この案は3リーグ以上にも応用できますし、参加者の数によってリーグ数を変更するという柔軟な運用もできると思います。ここではとりあえず2リーグという前提で説明していきます。あとちょくちょく出てくる「」で囲った単語は私の造語がほとんどです。実際の大会では好きな呼び方にしてもらって構いません。
まずゲームの上手さごとにメンバーを2リーグにわけます。この説明では上位のリーグを「メジャーリーグ」、下位のリーグを「マイナーリーグ」と呼ぶことにします。
大会は、リーグ内のメンバーで戦う「リーグラウンド」、リーグごとの上位数名が戦い優勝者を決める「決勝ラウンド」の2つのラウンドに大別されます。
ここで、例えばメジャーリーグが上位3名、マイナーリーグは上位1名が決勝リーグに進出といったように、メジャーリーグの人はより決勝戦に進出しやすいようにします。ちなみにこれは将棋の竜王戦をヒントにしました(ITTN新竜王オメシャス!)。
こうすることで、メジャーリーグの人が有利になるためにわざとマイナーリーグに落ちることを防げる上に、マイナーリーグの人も優勝できる可能性があるためモチベーションアップにつながります。
大まかな流れはこんな感じです。私は野球のメジャーリーグはよく知らないので、もしかしたら元々こういう意図があって提案してくれたのかもしれません。もしそうだったら恥ずかしい・・・
Q&A
どうやって所属リーグを割り振るの?
BGAにはレートがあるのでそれを使えばいい…と思ったんですが、アカウント作成から30日経つと見られなくなるという重大な欠点があり、また自演アカウントを作ってレーティングを偽装される可能性もあります。
かと言って強そうかどうかを主催者の勘で見極めたり自己申告制にしたりすると、バランスが悪くなったり揉めたりしそうです。
そこで私の案としては、それまでの大会における試合結果を用いて皆さんのレーティングを計算し、その大小で割り振るといいかなと思っております。こうすればレーティングはいつでもわかりますし、偽装もしにくいです。また、リーグラウンド敗退決定のプレイヤーも、リーグ維持/昇格のためというモチベーションが生まれます。ただ初回の大会だけはレーティングを計算しようがないので別の決め方にするしかないです。
2回目の大会以降は、新規参加の方は基本的に全員マイナーリーグスタートでいいかと思います。マイナーリーグでも優勝への道筋はありますし、プレイが上手ければ次の大会では即メジャーリーグ昇格になるでしょうし。
レーティングの計算とか大変そうなんですがそれは・・・
レーティングの計算は人力だと面倒ですが、エクセル等を使えば簡単だと思います。いっそ私がソフトを作ることもできます。
レーティング算出は大会が終わってから次の大会までにゆっくり行えばよく、試合結果は公開情報ですので主催者が一人で計算する必要もありません。ですので手間に関してはそこまで問題無いと思います。
レーティングの計算方法ですが、BGAではイロレーティングを使っています。イロレーティングは一対一のゲームを想定したレーティングですが、BGAゲーム人数が複数の場合は順位が一つ下の人に一対一で勝ち、一つ上の人に一対一で負けたと仮定して計算するようです。この方法を使えばイロレーティング以外にももっと手軽なレーティング*1を採用できたりしますね。
ちなみにBGAではイロレーティングに使用する変数も公開しているので、BGAと全く同じ方式でレーティングを算出することもできると思います。
リーグごとの人数配分と、決勝ラウンドの進出人数はどれくらいがよさそう?
まず、上にも書いたとおりメジャーリーグのほうを決勝ラウンドに進出しやすくします。
それと、慣れてない方がゆっくりプレイできるように、マイナーリーグはメジャーリーグに比べて人数を少なめにしたほうがいいかと思います。
決勝ラウンドの進出人数ですが、将棋の竜王戦の場合はリーグが1つ上になるごとに決勝ラウンドに進める可能性は約2倍となっているようです(例えば、決勝ラウンドに進める人数は竜王戦1組なら16人中5人、2組なら16人中2人、3組なら16人中1人・・・といった具合)。これを参考にするならば、メジャーリーグだとマイナーリーグの2倍決勝ラウンドに進出しやすくすればいいことになります。
あとは全体の決勝ラウンド進出人数ですが、大体のゲームでは4の倍数ならば都合がいいでしょう*2。
これらを考えると、私としては下のようにするのが理想型なのかなと思います。
- 決勝ラウンド進出人数は、マイナーリーグ1に対してメジャーリーグは3の割合
- メジャーリーグはマイナーリーグに比べて2倍決勝ラウンドに進出しやすいので、リーグの人数はマイナーリーグ1に対してメジャーリーグは1.5の割合
リーグの総人数に対する決勝ラウンド進出可能な人数の割合は自由です。例えば極端な例ですが、
- マイナーリーグは総勢6人で決勝ラウンド進出2人、メジャーリーグは総勢9人で決勝ラウンド進出6人
- マイナーリーグは総勢100人で決勝ラウンド進出1人、メジャーリーグは総勢150人で決勝ラウンド進出は3人。
これらは両方とも先ほどの条件を満たしています。
実際の大会では "メジャーリーグならばマイナーリーグの2倍*3決勝ラウンドに進出しやすい*4" ことを守りつつ、総参加者数に応じていろいろ調整するといいと思います。
上級者だけど大会参加は初めて、という人もマイナーリーグからスタートするの?
そのあたりは判断が難しいです。
そういう方をマイナーリーグに入れるとバランスを崩すおそれがありますし、かと言って自信がある人は自己申告制でメジャーリーグからスタートということにすると大会のたびに新規アカウントを作られるという不正が生じる可能性があります。
もしそういう方をメジャーリーグから始めさせたい場合は、主催者ごとに事前に判断基準を作っておくといいかなと思います(例えばエキスパートプレイヤー以上ならメジャーリーグからとか)。
初回の大会ではどうリーグを割り振るの?
今のうちにBGAのレーティングを記録しておいて割り振るか、自己申告制とかでいいんじゃない?(適当)
メジャーリーグの人が「自信がないからマイナーリーグでやりたい」と言った場合は?
その方には申し訳ないですがメジャーリーグで参加してもらうのが理想です。マイナーリーグが大荒れになりかねないので。
ただしもしそういうルールにすると新規アカウントを作って初心者騙りすればマイナーリーグからスタートするという不正もできるので、やはり許可してもいいのかもしれません。どっちだよ(現場監督)
このリーグ方式を採用する際に必要な条件
まず前提として、同じ方が何回か参加するような大会でないと効果を発揮しません。いつの大会でも新規参加の方ばかりといった場合だとリーグの割り振り方に困ります。
ただし、何らかの方法で実力を定量的に比較することができる状況ならば問題ありません。
リーグ制を採用した大会を運営する際の注意点
今までの大会の結果を使用するので、大会ごとに本人証明をする手段がないと不正される可能性がありますので注意してください。
本人証明自体はチャットルームのトリップ等で簡単にできると思います。
細かいルールの提案
細かな問題を修正するために、下のような補足ルールを提案します。
それは、"マイナーリーグで一定の成果を残した方(例えば決勝ラウンド進出者)は、次に参加する大会ではレーティングに関わらずメジャーリーグに昇格する" というルールです。
というのも、もしメジャーリーグ所属の方達のレーティングとマイナーリーグのそれにかなりの差がある場合は、極端な話、総合優勝したのにメジャーリーグに昇格できなかったということが起こります。それにイロレーティングでは長期間使い続けると数値がだんだんインフレしていくらしいので、時間が経つほどその問題は起こりやすくなると思います(それが顕在するほどの多くの試合はまず行われないでしょうが)。
ちなみにもしこのルールを採用する場合は、確率はかなり低いのですが、例えば第20回の大会に、
- 第1回大会でリーグラウンド優勝して第2~19回に参加しなかった方
- 第2回大会でリーグラウンド優勝して第3~19回に参加しなかった方
- …(略)
- 第18回大会でリーグラウンド優勝して第19回に参加しなかった方
- 第19回大会でリーグラウンド優勝した方
の19人がいっぺんに参加した場合、メジャーリーグから溢れる可能性があります。
もしこのような事態が起こった場合は例えば最近の大会の方を優先する、といったようなことを念のため決めておくといいです。十中八九そんなことは起こらないでしょうが。
私の運営する大会で採用したいけどつまり何をすればいいんですかね・・・
まずは○人ならどういう配分にするか、ということを考えてみましょう。
一例ですが例えばこんな感じですかね。人数の配分は割と適当ですのでご注意を(もしリーグ制が本格的♂採用となった場合は後で真面目に計算してみたいと思います)。
(これは例です)
レーティング上位の方はクリスリーグ所属となります。
※リーグの人数は 決勝ラウンド進出人数/リーグ総人数 を表します
参加者数 | クリスリーグ人数 | 生命の薬リーグ人数 |
---|---|---|
9人以下 | (1リーグ制とする) | |
10人 | 3/6 | 1/4 |
11人 | 3/7 | 1/4 |
12人 | 3/7 | 1/5 |
13人 | 3/8 | 1/5 |
14人 | 3/8 | 1/6 |
15人 | 3/9 | 1/6 |
…(以下略) |
おわりに
いかがでしたでしょうか?(KBTIT)
1試合に時間がかかりがちな、例えばプエルトリコのようなゲームで特に有効ではないかと思います、リーグにわけることで総ゲーム回数が減るので。ちなみに麻雀にも応用できますよ(小声)
ちなみにもし私が次にドミニオン大会を開催するとしたらこのリーグ制の採用は・・・ どうすっかな~俺もな~
もし今までどおり1リーグ制スイスドローのままでも、一回戦はレーティングによって対戦相手を決めたりするとよくなりそうですね。
みなさんの反応を見ながら、考えたり修正したりしようと思います。
*1:例えばイロレーティング - Wikipediaの「擬似的な算出方法」の項目
*2:ニムト等は除きます、5人推奨ゲームなので
*3:2倍でないとだめというわけではない、ただしこの値は不公平を避けるために何らかの形で大会開催前に公表しておいたほうがいいと思います
*4:もちろん総参加者数によっては綺麗に割り切れるとは限りません、その場合のやり方も決めておいたほうがいいです